2008年03月10日

三国そば、出汁リニューアル

ずっと大好きで、もう20年以上通い続ける三国そば。

ガツンとインパクトのある独特の出汁が、
のど越しの良い麺にからむ唯一なる世界観が楽しかった第1期。

少々喉が渇くくらいのフレンチに通じるような、
限界点ぎりぎりの塩分濃度に負けない節の香ばしい風味が魅力だった。

鰹節を変えざるを得なくなって、新たな味わいに生まれ変わった第2期。

よりまろやか、塩分控えめ・・・をテーマに生まれ変わった出汁は、
最初頼りなく感じたが、絶妙のバランス感が‘立ち食い’離れの
完成度をかもし出していた。
「出しの旨さ、沿線随一・・・」などと評判を買った。

そして今回のリニューアル、店主はバージョンアップという言葉を口にするが、
今回も変えざるを得ない事情があっての事だと察する。

様々な材料原価の値上げ・・・特に昆布の値上げが、
天然素材を基本とする三国そばにとって、
たった10円の値上げでカバーしきれる筈もないだろう。

9日の日曜日の朝、いつものように子供たちと出向いた際
「ご店主が出汁をバージョンアップしてん」とおっしゃり、
カレー味のきざみうどんを食する私に「普通の出汁、味みてみて」
っと言われて詠人のきつねをテースティング。

カレーで心地よくしびれた舌の上に、甘い煮汁の混ざったきつねの
出汁を厳正に見極める事の出来るはずも無く、
「カレー食べてるからようわからんわ、また今度・・・」と濁す。

・・・そして早速 連日の訪問で、いつもの天ぷらわかめうどんを。
より品良く薫り高くマイルドバランスになった新出汁は文句無く旨い。

でもかつおの風味がハイレベルな進化を遂げたのは良いが、
三国そばの、三国そばオンリーな出汁のインパクトは
またしてもスポイルされ、長年通う私は2度目の淋しさを覚える。
アミノ酸の絶対量も少なくなっているだろう。

もちろん、そこらの店とはレベルが違うのだが、
オンリーワンな冴えと切れ、忘れられない三国そばだけの味。

カレー粉を入れても失うことの無い存在感は希薄になった。

長く愛せるまろやかな美味しさを求めるなら素敵な進化だろう。

しかし、わざわざ遠い所から通うには「あの味」を求めたい。

嬉しくもあり、淋しくもある今回のリニューアル。

でもきっと前回のように、慣れてしまうと
いつものように変わらず通っていることだろう。
posted by アモーレ八木 at 21:40| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | 立ち食い・立ち呑み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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